#019
移民を知ろう、移民と語ろう(第6回)
サハリンと祖国をつないだ在日コリアン
戦前、日本の植民地だった朝鮮半島と台湾の出身者、その子孫に対して設けられた在留資格「特別永住者」。特別永住者というと、「オールドカマー」という表現があるように、長年日本で暮らしている、あるいは生まれも育ちも日本で暮らしている人たちである、在する上で最も安定的なものだといえます。
しかし、そもそも特別永住者である在日コリアンも、時期や来日理由、形態の違いはあれ、海を渡って日本にやって来た点では、その他の移住者と同じです。戦前も内地に来るには渡航許可が必要であり、渡航制限もたびたびかけられました。戦後も十分な帰国政策は取られず、本国の混乱状況のなかで「密航」という形で戻ってきた人たちも多くいました。家族と一緒に暮らすため、働いて食べて生きていくため、海を渡ることは在日コリアンにとって必要なことだったのです。特別永住者という在留資格ができたのは1991年――戦後から半世紀近く経ってからです。在留権を求める当事者の闘いの結果、ようやく獲得したという歴史があります。
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■連続セミナー テーマとスケジュール
*基本的に土曜日18:30開始の予定で調整中
(1) 子ども 2014年 10月 25日 (土) 18:30~/終了
(2) 非正規滞在者 2014年 11月 15日 (土) 18:30~/終了
(3) 難民 2015年 1月 24日(土)18:30~/終了
(4) 外国人被災者 2015年 2月 28日(土)18:30~
(5) 移住女性 2015年 3月 14日(土)18:30~
(6) 在日コリアン 2015年 4月18日(土)18:30~
(7) 留学生 2015年 5月23日(土)18:30~
(8) 移住労働者 2015年 7月(企画中)
○順番・日時は変わる場合があります。
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■「つながるトーク 移民を知ろう、移民と語ろう」趣旨
2012年7月、在日外国人に対する「新しい在留管理制度」がスター トしました。その影響は、外国人の生活の各方面に及び、さまざま な問題が生まれています。一方、政府は2020年東京オリンピック・ パラリンピック開催準備にともなう労働力不足を埋めるため、海外 から人を受け入れる方針を決めました。オリンピック・パラリン ピックに向けては、“ヘイトスピーチ”という形で注目を集めてい る人種差別問題も当然避けては通れません。
既に200万人を超える外国籍の人たちが暮らしている日本。多民 族が共に尊重し合い権利が守られながら住める社会になるためには 、どのような法制度や、意識の転換が必要なのでしょうか?
〈在日外国人〉を多様な側面からスポットを当て、外国人当事者 の声を聞き、研究者やNGO実務者の意見を聞きながら、〈多民族・ 多文化共生社会〉について話し合う連続セミナーを開催します。 とくに外国人・移住者問題に関心を持つ学生の方の参加を歓迎し ます。ぜひご参加ください。